現在の住宅で、サイディング壁の中で最も利用されている部材が窯業系サイディングボードとなっております。
デザイン性や施工性が高くコストパフォーマンスが良い外壁材で、各メーカーより様々なデザインが発売されており、現在では8割近いシェアがあると言われています。

基本的には窯業系サイディングボードはメンテナンスを前提とした外壁材となっています。
その理由として、窯業系サイディングの内容成分の約80％がセメントなので、ボード自体に防水機能が無い事が挙げられます。
よって塗料で防水効果を得ていると言えます。

塗装により防水効果を得ているという事を理解して頂ければと思います。
サイディングは、一般論として10年以上経過すると、ツヤが無くなってきて、さらに劣化が進むとチョーキング現象と呼ばれている、壁を手で擦ると手に白い粉が付く状態になってきます。（塗料の塗膜が劣化してきているサインです）
チョーキング現象が現れたからと言ってすぐに何らかの対策が必要という訳ではありませんが、劣化してきているよ～と家が教えてくれていると理解しましょう。

ただそのまま何年も放置しておくと、ひび割れや剥がれなどが発生する可能性が高くなりますので、その辺りも考慮して計画を考えて頂ければと思います。

住宅の状況はそれぞれ違うため一概にこうです！という答えはありませんが、サイディングの場合、チョーキング現象よりもシーリングの劣化の方が早い場合もあります。シーリングの状況は、素人目で見てもおおよその劣化状況は分かるかと思います。シーリングが切れていたりした場合は、雨水が侵入する恐れもありますので、もしこのような状況を確認したら、一度専門家に相談される事をお勧め致します。

もし外壁塗装をした方が良いか悩まれている場合、屋根の塗装状況、外壁の塗装状況、シーリングの劣化状態、付帯部の劣化状況等を複合的に見て判断しても良いかと思います。
注意すべきは訪問販売の業者です。ちょっとした劣化状況を大げさに伝え、今すぐに対処しなければならないように言ってくる業者が存在しています。
そういった業者の口車に載せられない為にも、最低限の知識は備えて頂きたいと思っています。

最後に一つだけ、お伝えしておきます。
外壁塗装、屋根塗装で雨漏りが解消することは決してありません。
また、外壁塗装、屋根塗装を行った後、雨漏りが発生したというケースも存在していますが、塗装で雨漏りは解決しません。
ただ塗装する素材に対する知識不足から、施工ミスで雨漏りに発展したケースは存在します。

訪問販売業者や値段が他社と比較して大幅に安い業者などは、全てがダメと言うことはないと思いますが、注意は必要だと思います。