住宅向け外壁材にはどんな種類がるのか?
住宅の外壁には様々な種類があり、それぞれに特徴、価格、耐久性、メンテナンスの頻度が異なります。主な外壁材の種類と特徴をまとめました。
- 窯業系サイディング
- 特徴: セメント質と繊維質を主な原料とした成形板。デザインが豊富で、レンガ調、木目調、タイル調など様々な外観を演出できます。比較的安価で、施工性にも優れています。新築で約7割がこの窯業系サイディングが採用されています。
- 価格: 比較的低い
- 耐久性: 20~30年程度
- メンテナンス: 7~15年ごとに塗装やシーリングの補修が必要・
- 金属系サイディング
- 特徴: ガルバリウム鋼板やアルミニウムなどの金属板。軽量で耐震性に優れ、断熱性や防水性も高いものがあります。シャープでモダンな印象を与えます。リフォームに適しています。
- 価格: 比較的低い~
- 耐久性: 20~40年程度
- メンテナンス: 10~15年ごとに塗装が必要な場合があります。錆に注意が必要です。
- 木質系サイディング
- 特徴: 天然木や木質系の複合材。自然な風合いと温かみが魅力で、断熱性にも優れています。経年変化を楽しめる反面、メンテナンスが必要です。
- 価格: 仕様材料により大きな差が出ます。
- 耐久性: 15~30年程度(樹種やメンテナンス状況による)
- メンテナンス: 3~10年ごとに塗装や防腐処理が必要
- 樹脂系サイディング
- 特徴: 塩化ビニル樹脂などを原料としたサイディング。軽量で耐候性、耐食性に優れ、メンテナンスがほとんど不要です。北米で広く普及しています。
- 価格:比較的高価です
- 耐久性: 20~50年程度
- メンテナンス: ほとんど不要(汚れは水洗いで落とせる)
- モルタル
- 特徴: セメント、砂、水を混ぜて塗り付ける壁。職人の手作業による仕上げで、意匠性が高く、自由なデザインが可能です。
- 価格: средний
- 耐久性: モルタル自体は30年以上、表面の塗装は10~20年程度
- メンテナンス: 10年程度で塗装の塗り替えが必要。ひび割れが発生しやすい
- タイル
- 特徴: 陶器や磁器でできたタイルを張り付けた壁。耐久性、耐候性に非常に優れ、メンテナンスの手間がほとんどかかりません。高級感のある外観になります。
- 価格: 高い
- 耐久性: 30~50年以上
- メンテナンス: ほとんど不要(目地のメンテナンスは必要)
- ALC (軽量気泡コンクリート)
- 特徴: 軽量で断熱性、耐火性、遮音性に優れています。パネルを繋ぎ合わせて施工するため、目地が多くなります。
- 価格: средний~高い
- 耐久性: 60年以上
- メンテナンス: 10年程度でシーリングの補修や塗装が必要
外壁材を選ぶ際のポイント
- 予算: 初期費用だけでなく、長期的なメンテナンス費用も考慮しましょう。
- デザイン: 住宅全体のデザインとの調和を考え、好みの色や質感を選びましょう。
- 耐久性: 地域の気候条件や建物の立地などを考慮して、適切な耐久性を持つ素材を選びましょう。
- メンテナンス性: メンテナンスの手間や費用を考慮して、ライフスタイルに合った素材を選びましょう。
- 機能性: 断熱性、耐震性、防火性など、必要な機能を備えた素材を選びましょう。
ご自身の希望や住宅の条件に合わせて、最適な外壁材を選ぶことが大切です。より詳しい情報や具体的な選び方については、外装の業者に相談することをおすすめします。
■住宅の張り替する場合の外壁の種類は?
住宅の外壁を張り替える場合も、基本的には新築時と同じ種類の外壁材から選ぶことができます。しかし、張り替えならではの視点や、既存の外壁材の種類によって適した選択肢が変わる場合があります。
以下に、張り替えでよく選ばれる外壁材の種類と、選ぶ際のポイントを解説します。
張り替えで選べる主な外壁材の種類(特徴は前回の回答と同様です)
- 窯業系サイディング
- 金属系サイディング
- 木質系サイディング
- 樹脂系サイディング
- モルタル
- タイル
- ALC (軽量気泡コンクリート)
外壁の張り替えで素材を選ぶ際のポイント
- 既存の外壁材との相性:
- 既存の外壁材が劣化している場合、下地も傷んでいる可能性があります。新しい外壁材の重さや固定方法が、既存の下地に適合するかどうかを確認する必要があります。
- カバー工法(既存の外壁の上に新しい外壁材を重ねる工法)を選択する場合は、既存の外壁材の種類や状態、建物の構造によって適さない場合があります。一般的に、金属系サイディングは軽量なためカバー工法に適しています。
- 耐久性とメンテナンス性:
- 長期的な視点で、張り替え後のメンテナンス頻度や費用を考慮しましょう。例えば、タイルや樹脂系サイディングはメンテナンスの手間が比較的少ないですが、初期費用は高めになる傾向があります。
- 金属系サイディングは耐久性が高く、メンテナンスも比較的容易ですが、デザインによっては好みが分かれることがあります。
- 耐震性:
- 金属系サイディングや樹脂系サイディングは軽量なため、建物への負担が少なく、耐震性の向上に寄与する可能性があります。
- 断熱性・遮音性:
- 外壁材の種類によって断熱性や遮音性が異なります。既存の住宅の断熱性能に不満がある場合は、断熱性の高い外壁材を選ぶことで改善が見込めます。金属系サイディングの中には断熱材一体型の商品もあります。
- デザイン:
- 張り替えは、住宅の印象を大きく変えるチャンスです。既存のデザインを踏襲するだけでなく、新しい色や素材感を取り入れることも検討してみましょう。
- コスト:
- 初期費用だけでなく、将来的なメンテナンス費用も考慮した上で、予算に合った外壁材を選びましょう。張り替え工事は、既存材の撤去費用や下地補修費用などもかかるため、塗装やカバー工法と比較して費用が高くなる傾向があります。
張り替えを検討する際の注意点
- 下地処理の重要性: 張り替え工事では、既存の外壁材を撤去した後、下地の状態を確認し、必要に応じて補修や防水処理を行うことが非常に重要です。下地がしっかりしていないと、新しい外壁材の耐久性にも影響が出ます。
- 通気工法の採用: 近年の住宅では、外壁内部の湿気を排出するために通気工法が採用されていることが一般的です。張り替え工事の際にも、通気工法を取り入れることで、壁内部の結露を防ぎ、建物の耐久性を向上させることができます。
- 業者選び: 信頼できる業者を選び、見積もりを複数取得して比較検討することが大切です。塗装業者ではなく、外装業者に相談することで、最適な外壁材や工法についてアドバイスを受けることができます。
ご自身の住宅の状態や希望、予算などを考慮して、最適な外壁材を選ぶようにしましょう。必要であれば、複数の業者に見積もりを依頼し、それぞれの提案を比較検討することをおすすめします。
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